B3向け

2023年度の研究室配属向けのページです。以下は2023年度版の研究室の紹介動画(5分)です。


説明会日程・連絡先

日時 集合場所
2023/10/24(火) 18:10-18:45 ディスカッションルーム7(14階2階217)
2023/10/26(木) 18:10-18:45 ディスカッションルーム7(14棟2階217)
2023/10/27(金) 18:10-18:45 ディスカッションルーム7(14棟2階217)
2023/10/30(月) 18:10-18:45 ディスカッションルーム7(14棟2階217)

個別説明会の後、希望者がいれば研究室(26棟2階207)を案内します。上記以外で個別に研究室を見学したい場合はSlackでご相談ください。B3 Slackでの名前は1_matsutani.hirokiです。


研究内容

今、IoT(モノのインターネット)機器によってビッグデータ(大量のデジタルデータ)が集まり、AI(人工知能)によって新たな価値が生み出されています。これらの技術によって社会はより良い方向へ変化していくでしょう。このような状況を鑑み、松谷研はIoT、ビッグデータ、AIのための基盤技術(とくに計算機やアルゴリズム)を研究しています。

下記が現在進行中の研究プロジェクトです。クリックすると「研究」のページに飛びます。

研究室で取り組んでいるテーマはどれも重要ですが、オンデバイス学習で注目されることが多いです。やっていることは周囲の環境が変動するような状況における異常検知や異常行動検知。IoT(モノのインターネット)で使われるような小さな計算機で動作するニューラルネットワークの学習アルゴリズムなど。4ドルのコントローラでもちゃんと学習できます。企業さんによってチップ化され、日経新聞にも載りました。
成果はIEEE Transactions on Computersというトップジャーナルに掲載され、Featured Paper of July 2020 Issueにも選ばれました。最近ではIEEE Microという有名雑誌にも解説記事が載りました。以下は一般向けの説明動画です。

みなさんの身の回りなど、現実空間で動作するエッジAIは「コンパクト」であることが大事です。そのため、コスト効率の良い常微分方程式を基にした深層学習極小のTransformerモデルなどを研究しています。
また、環境の変化に追従できることも大事です。そのため、今ある知識を他の環境に転移させるドメイン適応、モデルの劣化(入力と出力の関係の変化)を検知するコンセプトドリフト検知などに取り組んでいます。

他には、複数もしくは多数の計算機に分散して動作するような機械学習を研究しています。例えば、分散強化学習ゲームへの応用例)や連合学習など。

移動ロボット向けの機械学習にも強いです。例えば、自己位置推定および地図作成、深層学習を使った点群レジストレーション経路計画などにも力を入れています。論文を書くだけでなく実機上で動かしている点も自慢です。


研究室活動

  • 普段の様子
  • 研究室の活動は対面とオンラインのハイブリッドで行っています。研究室内の議論はSlackを活用し、ミーティングや輪講(勉強会)は対面に重きを置きつつ、Zoomでも参加可能です。実機を動かしたり、フィールドでテストしたりと言った活動も積極的に行っています。ところで以下の動画はどこだか分かりますか?

  • 配属後の流れ
  • 研究室に配属されると、2月中旬から5月くらいまで週16時間を目安に新人研修(勉強会)を行います。曜日と時間帯は新B4で相談して決め、教員と先輩がそれに合わせます。研究に関連する基礎知識を付けてもらいます。機械学習、計算機アーキテクチャ、分散システムに関する日本語や英語のテキストを読んだり、有名な論文を読んだりします。その後は、学生の興味に合わせて個別に議論を重ねながら研究テーマを決めます。研究テーマが一発で決まることはほぼ無く、試行錯誤を繰り返しながらテーマを決め、テーマが決まった後も軌道修正を繰り返しながら1つの研究として仕上げます。
    例えば、2022年度の卒論は下記のようなテーマでした。すでに海外もしくは国内で対外的な学会発表を行っています。

    • エッジ向け自己注意機構
    • 移動ロボット向けSLAM(自己位置推定&環境地図作成)
    • スマートNICによる連合学習の高効率化
    • AIのセキュリティリスクの解析と対策
  • 研究室の風景
  • 研究室のメンバは26棟2階207の広い部屋を使います。26棟2階210Aは教員がいる部屋、兼、物置です。

    研究室合宿の様子。2022年度は海、2023年度は山でキャンプでした。


聞かれてないけど答えておきたい質問

  • 松谷研は研究業績は出ていますか?
    業績はこの分野のトップジャーナル、トップカンファレンスにコンスタントに通し続けています。良い意味で特殊です。修士課程でIEEE TransやIEEE Micro、IEEE Accessに投稿している人もいます。
    通っているトップジャーナルの例:
    IEEE Transactions on Computers (TC)
    IEEE Transactions on Parallel and Distributed Systems (TPDS)
    IEEE Transactions on Computer-Aided Design of Integrated Circuits and Systems (TCAD)
    IEEE Transactions on Very Large Scale Integration Systems (TVLSI)
    IEEE Access
    IEEE Micro
    IEEE IT Professional
    通っているトップカンファレンスの例:
    IEEE International Symposium on High-Performance Computer Architecture (HPCA)
    ACM/IEEE International Symposium on Computer Architecture (ISCA)
    Design Automation Conference (DAC)
    最近の業績リストはここを見てください。論文業績がすべてではありませんが、学生たちがたくさん業績を出してくれていることが分かります。
    学生の受賞がとても多いです。2017年度はうちから藤原賞の受賞者が出ています。業績は奨学金に影響します。
  • 松谷研の研究って世の中的にどうなの?
    2013年の研究室設立以来、国プロ(政府系機関が行っている研究開発プロジェクト)をいくつも率いています。例えば、JSTさきがけ「ビッグデータ統合利活用のための次世代基盤技術の創出・体系化」、JST CREST「イノベーション創発に資する人工知能基盤技術の創出と統合化」、JST AIP加速課題「適応性と信頼性を両立するオンデバイス学習技術の確立」などに松谷研の研究プロジェクトが採択されています。
    社会のニーズに合った研究をしています。これは就職にも有利です。企業や学会での招待講演、基調講演も多いです。最近のアクティビティはトップページをご覧ください。例えば、2019年10月に日経産業新聞、2021年12月に日刊工業新聞、2022年9月に日刊工業新聞、2022年10月に日本経済新聞に載りました。
  • 松谷研の良いところは何でしょうか?
    論文輪講(勉強会)はたくさんありますが、ミーティングは最小限。新人研修中を除きコアタイムもありません。
    研究室運営に労力を割かない分、研究指導に力を入れます。教員が学生ひとりひとり直接指導している点も自慢ですが、そうは言っても行き届いてない分は先輩たちがカバーしてくれているから何とか回っているという状況です。
    松谷研で博士号を取得した人たちの中には大学教員になった人、海外のIT企業で活躍している人もいます。人材に恵まれ続け、日本学術振興会特別研究員DC1に採択される学生がコンスタントに出続けています。修士でやっていた研究が有名ジャーナルに結構通っています(IEEE TransactionIEEE AccessIEEE AccessIEEE Microなど)。そういうわけで論文業績、国プロ、研究予算、学生たちの活躍がうちの自慢です。なので、どうせなら慶應の修士に進学予定の方に来てもらえたらと願っています。